ここではシリコンとノンシリコンの選び方を書いていきます。
サロンレベルのシャンプーには触れません。洗浄成分も詳しくは触れません。かなり説明が長くなってしまうからです。別記事で書きます。
ではシリコンシャンプーとノンシリコンシャンプーの特徴を説明していきます。
その前に!
自分がなぜそのシャンプーを使っているか説明できますか?
毎日使うシャンプー。皆さんはどのように選んでいますか?
コマーシャルで見たから。
皆が使っているから。
近くのドラックストアで安売りしているものを買っている。
美容室で勧められた店売のものを使っている。
香りが好きなものを使っている。
はい。選び方は人それぞれだと思います。シリコンの有無以外にも、オーガニック系、アミノ酸系、などなど、シャンプーには沢山の種類があります。
もちろん気に入っているシャンプーがあればそれでオッケーだと思います。
でも。でもですよ? もしそのシャンプーが自分に合っていないと分かったら、皆さんはそのシャンプーを使い続けますか?
美容師をしていたころ、こんなお客様がいました。ここではAさんとしましょう。
Aさんは20代の女性で、髪型はワンレングス(真っすぐスパっと切ったオカッパスタイル)です。カラーはハイトーンのアッシュカラー(寒色でくすんだ色合い)。毛質は広がりやすく、太いうねり気のあるくせ毛です、縮毛ではありません。

ななほしとろろさん。私が使っているシャンプーはノンシリコンのやつなんですけど、私に合っていますかね? コマーシャルではノンシリコンノンシリコンってよく見るので、分からずに使っているんですけど……。変えてから以前より広がりやすくなった気がするんですけどねぇ。
ここで私はAさんに尋ねました。
まず市販のものなのかサロンで扱っているようなものなのか。

近所のドラックストアで安売りしていたシャンプーです
ここで私は即答します。
そのシャンプーは合っていません。と。

え!? でもノンシリコンだから買ったのに……

Aさん。確かにノンシリコンは悪いものではありませんが、ご自身の髪や頭皮に合わせて使うことが大切です。
ちなみにですが、サロンで扱っているようなシャンプーに切り替えるご予定はありますか?

サロンのシャンプーは高価なものが多いので今のところはないです。

それでしたら、シリコンが入っているシャンプーをお勧めします。
※Aさんにはこの後、洗浄成分についても説明をしました。この記事では洗浄成分の説明はしません。違う記事に詳しく書きます。この記事ではあくまでシリコンが向いているかノンシリコンの方が向いているのかを説明します。
なぜAさんにノンシリコンシャンプーが合っていないのか。
詳しくは後述しますが。まずシリコンが入っていないのでAさんの太く癖のある毛質はさらに広がりやすくなります。
洗っているときも髪がきしみ、その摩擦によってさらにダメージは増えていきます。
※トリートメントをするのであれば少し変わってきますが、今回はトリートメントには触れません。
シリコンにはコーティングするという効果があります。シャンプーの中に入っている洗浄成分は、洗っているときにどうしてもキューティクル(毛を覆っている薄い膜)を少し開いてしまいます。キューティクルが開くと髪がバサバサになります。
これを抑えるためにシリコンが配合されているわけです。
石鹸やボディーソープで髪を洗ったことはありますか? ほとんどの方はないと思いますが、想像はつきますよね?
ギシギシになりそう。ゴワゴワになりそう。と。
石鹸などにはシリコンが入っていません。なのでゴワゴワになります。
ノンシリコンシャンプーは石鹸ほど洗浄力が強いわけではないので、ゴワゴワとまではいきませんが、洗っているときにきしむ感覚が生まれます。
シリコンがコーティングすることで、指通り以外にもうひとつ利点があります。
それは、コーティングするので毛にツヤと重みが加わるということです。
広がりやすい毛に重みを与えることで、おさまりも良くなります。
Aさんは自分に全く合わないシャンプーを使っていたわけですね。
Aさんは、サロンで扱っているレベルのシャンプーに切り替える予定はなし。市販のもので済ませたい。広がりを抑えたい。となると、お勧めできるのは市販のシリコンシャンプーとなるわけです。
なぜか世間では『シリコン=悪いもの』という風潮がありますが、勘違いしてはいけません。
シリコン=別にシャンプーに入っていなくてもいいもの
です。
シリコンは頭皮に詰まるとかよく耳にしますが、科学的根拠はありません。
ちなみにですがシリコンはスキンケア用品にも入っています。クリームや化粧水などです。お化粧をする方は毎日シリコンを顔に塗っているのです。※すべてのスキンケア用品に含まれているわけではありません
ただ、シリコンが頭皮に残った状態が長く続くと抜け毛や炎症を起こすことは分かっています。これはかなり極端で、頭皮に泡やシャンプーのヌルヌルが残っているようなレベルの話です。しっかりと洗い流していれば神経質になる必要はないと思います。本当に危ないものであれば、シャンプーなどの日用品に配合することを禁止するはずです。
というわけで、どうでしょうか? Aさんのように分からずノンシリコンを使っていた方も多いのではないでしょうか?
最近の市販シャンプーはほとんどがノンシリコンで売り出しています。自然と手に取るのも納得がいきます。
でも安心してください。ノンシリコンシャンプーとセットでコンディショナーがありますよね? 大体のコンディショナーにシリコンが入っています。
ノンシリコンコンディショナーと書いていないのであれば入っていることが多いです。
シリコンが入っているか入っていないかを調べる方法もあります。商品裏の成分表を見ることで確認できます。
成分表には「シリコン」と記載はされていません。
ジメチコンやトリシロキサンのように書いてあります。そして、かなりの種類があります。
でも名前に共通点があるので簡単に分かります。
「メチコン」「シロキ」「シリル」「シラン」これらが含まれている名前はシリコンを表す表示です。この四つを覚えておけば簡単です。ジメチコン。トリシロキサン。
皆さんも今すぐお風呂に置いてあるシャンプーやコンディショナーを見てみましょう。
ノンシリコンシャンプー
はい。上記のせいであまり良いイメージがないノンシリコンシャンプーですが。ここで巻き返していきます。
ノンシリコンシャンプーはその名の通りシリコンが入っていません。
上記のせいで、「なんでノンシリコンなんて開発したの?」と思う方も多いと思います。
理由は、シリコンシャンプーはシリコンのおかげで強力な洗浄成分を入れてもバレない、気づかれないからです。※キューティクルが開きまくってもシリコンがカバーするため
このシリコンを取り除いたノンシリコンは、シリコンのコーティング力がありません。なので、強力な洗浄成分を入れるとバレるし気づかれます。
強力な洗浄成分は、せっかく綺麗に染めてもらったカラーの色素も取っていってしまいます。さらに、日々のトリートメント成分も洗い流されやすくなっていきます(キューティクルが開くため毛髪の内部から色素や栄養が漏れ出しやすくなる)。そして、頭皮の必要な油分をも浮かせます。
結果は頭皮の乾燥や、カラーの早期脱色、毛髪の乾燥(パサつき)などを招きます。
なので、ノンシリコンは頭皮や毛髪の汚れだけを落とし、必要な油分やカラーの色素を保つレベルの洗浄成分が求められます。
つまり、ノンシリコンシャンプーの誕生により、シリコンを使ったズルができないルールみたいなものができちゃったんですね。
ただ勘違いしないでくださいね。「じゃあシリコンシャンプーは洗浄力強いからダメじゃん」とはなりません。シリコンシャンプーでも洗浄成分が強力なものでなければオッケーです。実はノンシリコンを謳って強力な洗浄成分を入れているシャンプーもあります(最悪ですね)。
ノンシリコンのイメージが良くなってきましたね。
ではノンシリコンのメリットを書いていきます。
それはシリコンが入っていないことです。「え?」ってならないでくださいね。
シリコンはコーティングするので、毛髪に重みを与えます。もし、毛が細くペタッとしている人がシリコンシャンプーを使うともっとペタっとします。
ノンシリコンは、髪の毛にシリコンが付かないのでボリュームが出やすくなります。さらに、自然の毛髪に近いサラサラとした質感に近づきます。
ノンシリコンシャンプーのコマーシャルでよくボリュームアップを謳っているのもうなずけますね。
ノンシリコンシャンプーが向いている人。向かない人。
向いている人。
- ボリュームが欲しい人。毛に張りがなくなってきた年配の方などにおすすめです。
- スタイリングの際に、ふわりとしたエアリー感を出したい方。
- ツヤよりもサラサラが欲しい人。
向かない人。
- 縮毛の方や、もともとボリュームが出やすい方
- 真っすぐストレートでストンとしたヘアースタイルの方
- 毛にツヤを求めたい方
- シリコンシャンプーの洗い心地に慣れ過ぎて、ノンシリコンの違和感(きしむ感じ)が嫌な方
- アイロンなどの熱によるスタイリングを多用する方
と、こんな感じです。
注意していただきたいのは、これはあくまでシャンプーのみでの意見です。
トリートメントやコンディショナー、スタイリング次第でツヤも出せますしボリュームも出せます。
シリコンシャンプー
最初の方で結構詳しく書きましたがここにも書きます。
シリコンはコーティング剤です。そして『シリコン=悪いもの』ではないです。
シリコンシャンプーはシリコンが入っているので毛髪をコーティングしてくれます。そのおかげで洗い心地はとてもいいです。
ツヤが生まれやすいのも特徴です。
ダメージ毛の方はキューティクル自体がかなり損傷しているので、シリコンによるコーティング(擬似キューティクル)でかなり指通りが改善します。
ただ、このコーティングは一時的なものでしかないので、あまりにもひどい場合はトリートメントもしましょう。
シリコンは熱に強いです。なので、アイロンやコテなどの熱を利用したスタイリングをする際に、毛髪を熱から守ってくれます。
昔耳にした、「シリコンは毛をコーティングするからカラーやパーマがきちんとできなくなる」という噂があります。
結論から言うと、関係ないです。
私はシリコン入りのコンディショナーを使用した毛髪と、シリコンを使用していない毛髪でカラーやパーマのテストをしたことがあります。
結果はどちらも同じでした。一度ではなく何度もしましたが、結果は同じでした。
こういう根拠のない噂を流すのは誰なんでしょうね。
シリコンシャンプーが向いている人。向かない人。
向いている人。
- ボリュームを抑えたい人
- 縮毛、くせ毛の方。毛髪の太い方
- アイロンなどで熱によるスタイリングをする方
- サラサラよりツヤを求める方
- 洗い心地を求める方
向かない人。
- 毛髪が細い方
- ボリュームがなくペタっとしている方
- サラサラを求める方
と、こんな感じです。
注意していただきたいのは、これはあくまでシャンプーのみでの意見です。
トリートメントやコンディショナー、スタイリング次第でサラサラにできるし、ボリュームを抑えることもできます。
まとめ
今回はシリコンシャンプーとノンシリコンシャンプーについて触れました。
シリコンの良さ。ノンシリコンの良さ。分かっていただけたでしょうか?
ただ。まだ待ってください。
なにを待つのかと言いますと。
シャンプーを買うのをです。
実はシャンプーで一番大切なのが洗浄成分なのです!
この洗浄成分についてはとても長くなりそうなので、ここでは詳しく触れませんでした。
洗浄成分を知ってこそ真に自分に合ったシャンプーを選ぶことができるのです。
なので、次の記事では洗浄成分について書いていきます。
ななほしとろろでした。
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