ニート……ブログ始めます。

引きニート脱出系

 皆さん初めまして。ななほしとろろと申します。

 ブログを始めた理由としましては。

『脱引きこもり!』

 これが一番の理由です。もうずっと家にいます。外に出ることはほぼありません。

 去年の夏に弟からテニスの誘いがあり、一緒に行きました。

 しかし、三球打ち返したところで息切れ

 さすがに体力落ちすぎです。もう四年ほど引きこもっています。

 ということは歳もその分とっていると……。

 まずいです。

 この前、街に繰り出しました。

 ウィンドウショッピングです。

 移動は徒歩。昼頃に出かけて夕方には帰宅しました。

 次の日には筋肉痛です。

 走ったりしていませんよ? ゆっくりと歩いていただけです。

 通勤路を行きかえりするくらいの距離。通学路を行きかえりする距離。これだけで筋肉痛です。

 まずいです。

 自分は引きこもる前、美容師をしていました。

 皆さん美容師という仕事にどれほど理解があるかはわかりませんが、かなりハードです。

 後輩の練習を見るために朝早くから出勤し、店が混めばもちろん昼食を取っている暇などありません。

 営業時間が終わった後も練習です。

 立ちっぱなしです。

 家に着く頃には日をまたいでいることも多々あります。※全ての美容室が該当するわけではありません

 仕事後に飲みに行ってカラオケ。夜中に帰宅。早朝出勤。休日は講習会。

 休みなんてないです。

 なら飲みに行くなと……。

 いきたいんです! ストレスもたまるんです!

 ということで体力には自信がありました。(過去形)

 そんな私がこのざまですよ。全部自分が悪いんですけどね。

 そこで思いついたんです。

ななほしとろろ
ななほしとろろ

カメラを持って街に出よう!

風景を撮影しよう!

これなら歩くことで体力も戻ってくる!

写真やってみたかったし!

札幌という街は好きだし紹介したい!

 こんな感じです。

 似たようなブログは沢山あると思います。

 札幌は観光地でもあり有名です。

 今さらこんなことしたってデータの海に埋もれるだけ。

 でもいいんです! まずは脱引きこもり! 体力の回復!

 それに自分はここ最近の街の変化を知りません。引きこもっていたから……。

 そして自分の感性がかなり変わったこと。

 例えば。

 皆さんは通勤路や通学路に落ちている空き缶を見て何を考えるんでしょう?

・そもそも視界にすら入らない。

・ポイ捨てすんなよ。

 と、こんな感じだと思います。

 しかし私は違います。

その空き缶にも物語があるのです。

 イメージとして上の写真を参考に妄想します。

 ※注意 ここからななほしとろろの妄想ワールドに入ります。


 今は年月と雨風により変わり果ててしまった空き缶。

 この缶は元々自動販売機で売られていたホットコーヒー。

 当時は新発売ということもありテレビや新聞の広告に名を馳せていた。

 そんな光を浴びていた生活から一変したのはある冬の日だった。

 一人の若い男性が道端の自動販売機の前に立ち止まった。

 辺り暗く、ぽつりぽつりとある街灯の明かりが柔らかい大粒の雪を照らす。

 男は手に白い息を当てながらポケットから小銭を取り出した。

 数ある飲み物の中から迷いもせずに選んだのは新発売のコーヒー。

 取り出し口から取り出すと、かじかんだ指先を温めるように缶コーヒーを両手で包んだ。

 自動販売機の横にベンチがある。

 男はベンチにふわりと積もっている雪を払い、腰を下ろした。

 そして上着の左ポケットに手を入れた。小さな箱が手にあたる。

 男はポケットに箱を確認すると、大きく息を吐いて顔を引き締めた。

 今日はクリスマス。

 男は今日に人生をかけていた。

 頭には雪が積もる。

 何度も何度も腕時計を確認する。

 ホットコーヒーのぬくもりもなくなってきたころ、男は立ち上がった。

 道の向こうから人影が見えたからだ。

 しかし、大粒の雪が視界を遮る。

 男は頭の中で台詞を復唱する。

 何度も何度も。

 人影が街灯に照らされ姿を現す。

 男はそれを見て唖然とした。

 影が二つあったからだ。

 背の高い男性と、その腕にしがみつきながら歩く女性の姿。

 待っていた男は怒りに満ちていた。

 あんなに好きと言ってくれたのに。

 ずっと一緒にいたいと言ってくれたのに。

 今日の約束をすっぽかして知らないヤツと一緒にいるなんて。と。

 ホットコーヒーを力一杯に握りしめて二人の元に歩み寄る。

 そして背の高い男の胸ぐらをがっしりと掴み、声を上げた。

誰だよ!

…………

 背の高い男は黙ったまま。

 隣の女性が二人を引き離そうと間に入る。

やめてください! なんなんですかあなたは!?

うるさい! お前こそ誰だ!

警察を呼びますよ

ちっ……

 男は掴んでいた胸ぐらを離し、一歩下がる。

 黙っていた背の高い男が口を開く。

 視線は胸ぐらを掴んできた男に向けられている。

すまん。お前とはやっぱり一緒にいれない

そんな……

 唖然としていたのは女性の方だった。

なんでだよ! ずっと一緒にいるって言ったじゃないか! 今日だってずっと待っていたんだぞ!

すまん。俺はやっぱりお前とはいれない

 女性は依然として理解が追い付いていない。

 この男同士のやり取りに。

バカヤロー!

 男は叫びながら缶コーヒーを道端の雪山に投げ捨てた。

すまん。今までの事は忘れてくれ。……じゃあな

…………

さあ行こうか。ディナーの予約時間が過ぎてしまう

う、うん

 背の高い男性と女性は街の方に消えて行った。

 缶コーヒーはかすかに残っている温かさで雪を溶かしながら少しずつ沈んでいく。

 缶コーヒーはその存在を忘れられ、中身を飲んでもらうことなく長い年月茂みの中でひっそりと過ごした。

 立派なラベルは酸化によりサビ果て、朽ちた部分から中身が流れ出る。

 風に乗って小さな種が飛んでくる。

 種は空き缶の朽ちた部分から中に入った。

 微量に溜まった雨水を養分とし、ひとつの生命が誕生した。

 誰の目にもとめてもらうことのない小さな小さな花。

 こうして新発売のBL(ブラック)コーヒーの空き缶はひとつの仕事を果たした。

 おしまい。


 と。

 こんな風に妄想してしまうわけですよ。変わった感性かもしれません。

 もしかすると皆さんが気にしないところにこんな物語が眠っているかもしれませんよ?

 このブログを読んでくれた方は道端の空き缶を見たときに、考え方が変わるかもしれませんね?

 というわけで今回はブログを始めた理由と引きこもっている間に物の見方が変わった件について書いてみました。

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